食事制限とインスリン量調節 [糖尿病教育入院7日目]

2007年11月4日日曜日:教育入院期間2週間のうち4日間は土曜日曜ですから、時間を潰せる本やラジオを準備した方が良いですね。

インターネットに接続できる環境があればいいのですが、ホテルではないので無理な注文のようです。ただ、特別料金の個室だとインターネットに接続できるのです。そんな金持ちは入院していないようでしたが。

糖尿病について調べる時、良くも悪くもインターネットが便利です。例えば、合併症の神経障害、網膜症、腎症について。入院中は、繰り返し何度も合併症のことを教えられます。

でも、喉元過ぎればどうなるか。毎日血糖自己測定して血糖値を目にしていても、欲望に負け一口くらいいいじゃないと食べ過ぎ飲み過ぎてしまい、血糖コントロールを乱すことがあります。

若者が年老いた自分を想像できないように、何年も先の合併症を発症している自分を想像しながら目の前の食事を摂るなんて、なかなかできるものではありません。

食事の内容に対してインスリン量を決める

アメリカ合衆国国立糖尿病・消化器・腎疾病研究所(NIDDK; National Institute of Diabetes and Digestive and Kidney Diseases)が1型糖尿病患者を対象にして1983年から1993年まで行なったDCCT(Diabetes Control and Complications Trial)が示した研究結果は、血糖を良い状態にコントロールすることは合併症の発症と進行の防止に効果がある、ということでした。

膵臓からインスリンを初めて抽出したのが1921年、インスリン製剤として実用化されたのが1923年、それから70年後ようやく科学的に明らかにされたのです。

血糖を良い状態にコントロールすることは、糖尿病ではない普通の人の血糖レベルにできるだけ近づけることです。血糖レベルは、HbA1cで評価することができます。

ヘモグロビンにグルコースが結合したグリコヘモグロビンのひとつがHbA1cで、ヘモグロビンの寿命が約120日であることから、HbA1cは過去1ヶ月~2ヶ月の平均的な血糖レベルを表わしている、とされます。

食事を摂れば、血糖値(血液中のグルコース濃度)は上昇します。インスリン作用が働けば、インスリン効果によって血糖値は下がります。このような変動を含めた平均的な血糖の状態を評価する指標が、HbA1cです。

DCCTにおいて、1型糖尿病患者が血糖を良い状態にコントロールするために行なったことは、強化インスリン療法です。

  • 患者自身がインスリン注射量を決められた範囲で調節しながら、インスリンを頻回注射

米国では、食事の内容に対してインスリン量を決めることが主流のようです。日本では、決められたインスリン量に対して食事の内容を制限することが多いようです。

日本式では、食事を多く摂ったときに血糖値を高いままにしてしまい、血糖を良い状態にコントロールするという視点が欠けてしまいます。

食事の内容を制限することだけが血糖コントロールではなく、食事の内容に対してインスリン量を決めることも血糖コントロールの方法のひとつです。

強化インスリン療法にも問題があります。

  • 積極的に血糖を下げようとすることから、低血糖が起こりやすい。
  • 食べ過ぎにより体重が増加しやすいので、運動が必要。

だから強化インスリン療法はだめだ、と言うつもりは全く無く、インスリン量調節や食事制限の良いところを実行する中庸の精神が大切だと思うのです。

食事毎のインスリン量調節もひとつの手ですけれども、毎日毎日入院中の食事(写真参照)のような食生活も無理です。というか、毎食計算して食事を作ることが無理ですので、ほどほどに。

入院7日目の治療、検査、食事の記録

  • 0615 起床。体重測定:65.7[kg]
  • 0730 血糖値測定:126[mg/dl]
  • 0800 インスリン注射:8単位、朝食:ごはん220[g](82[g]=370[kcal]=4.6単位)、かぶと絹さやの味噌汁、オムレツ、レタス、減塩ソース、切り昆布と人参の炒り煮、牛乳(炭水化物:100[g]、カロリー:612[kcal]=7.7単位)、食後メルビン1錠

    朝食 2007年11月04日 日曜日 ごはん220[g](82[g]-370[kcal]-4.6単位)、かぶと絹さやの味噌汁、オムレツ、レタス、減塩ソース、切り昆布と人参の炒り煮、牛乳(炭水化物:100[g]、カロリー:612[kcal]=7.7単位)

  • 0900 散歩(20分)
  • 1130 血糖値測定:216[mg/dl]
  • 1200 インスリン注射:6単位、昼食:麦切りうどん280[g](73[g] =360[kcal] =4.5単位)、めんつゆ、薬味(小葱、わさび)、宝袋と人参と絹さやの含め煮、じゅん菜のおろし和え(炭水化物 : 89[g]、カロリー : 583[kcal]=7.3単位)

    昼食 2007年11月04日 日曜日 麦切りうどん280[g](73[g]=360[kcal]=4.5単位)、めんつゆ、薬味(小葱、わさび)、宝袋と人参と絹さやの含め煮、じゅん菜のおろし和え(炭水化物:89[g]、カロリー:583[kcal]=7.3単位)

  • 1320 散歩(20分)
  • 1730 血糖値測定:191[mg/dl]
  • 1800 インスリン注射:8単位、夕食:ごはん220[g](82[g]=370[kcal]=4.6単位)、なめこ汁、カレイの唐揚げ、絹さや入り甘酢あん、もやしと水菜のお浸し、減塩しょうゆ、プロセスチーズ、バナナ(炭水化物:118[g]、カロリー : 702[kcal] =8.8単位)、食後メルビン1錠

    夕食 2007年11月04日 日曜日 ごはん220[g](82[g]=370[kcal]=4.6単位)、なめこ汁、カレイの唐揚げ、絹さや入り甘酢あん、もやしと水菜のお浸し、減塩しょうゆ、プロセスチーズ、バナナ(炭水化物:118[g]、カロリー:702[kcal]=8.8単位)

  • 2200 血糖値測定:202[mg/dl]、就寝