なぜ血糖を良い状態にコントロールするのか

糖尿病に関するウェブサイトを訪問していれば、DCCTという語句を目にしたことがあると思います。

DCCTとは?

「血糖を良い状態にコントロールすることは、糖尿病合併症の発症および進行の防止に効果があるのか?」を調査した臨床研究(Diabetes Control and Complications Trial)のこと。

アメリカ合衆国国立糖尿病・消化器・腎疾病研究所(NIDDK; National Institute of Diabetes and Digestive and Kidney Diseases)が1983年から1993年まで行なった。

この研究から、血糖を良い状態にコントロールすることは、糖尿病性合併症の発症と進行の防止に効果があることがわかりました。

血糖コントロールが良い人は、合併症を発症するリスクが低いのですが、身も蓋も無い言い方をすれば、たとえ良くても合併症の発症を完全に防ぐことはできないのです。

研究結果を冷静に見ることができれば、科学的根拠があると理解できるはずなのですが、感情を伴って見てしまうと理性は感情に流されやすくなります。

食事制限を苦に感じないようにするために

食事のカロリー制限が苦しく、運動もなかなかできなくて血糖コントロールが悪い状態の人(自分の耐糖能以上に食事を摂っている人など)は、

と思ってしまうのも不思議ではありません。

苦しいよりも楽なほうがいいです。でも、糖尿病患者のロードマップには、合併症というイベントが既に書かれてしまっているのです。

そのイベントが実行されるか否かは、本人次第です。

  1. 楽な生活を送り、後々苦しい思いをする。
  2. ほんの少し我慢する生活を送り続ける。

選択はこの二択しかないのです。

糖尿病自体の症状は、病態が重度に至らない限り自覚が無いことがほとんどです。これが血糖コントロールを疎かにさせ、ついには合併症を発症させてしまう糖尿病のやっかいな一面です。

血糖を良い状態にコントロールするためには、誤解を覚悟して言えば、食事制限すなわち食欲を抑制する必要があります。なぜそうしなければならないのか。脳で理論的に考えて、判断を下させるようになることが感情に負けない方法だと思います。

我慢してダイエットに成功してもリバウンドして以前より太ってしまった、よく聞く話です。医師に言われたから、我慢して食事を少なくしている。このような受身の状態では、気持ちの良い血糖コントロールはできません。

自分が納得して行なう血糖コントロールに、我慢は必要ありません。とは言っても我慢しているつもりはなくても、知らず知らずに我慢はしているもの。中には食べたいものを我慢しないで食べる日があってもいいではありませんか。何事もほどほどが肝心です。

DCCTの研究結果を理性的に数字で理解できれば、我慢を強いることも我慢と感じることも少なくなるのではないでしょうか。

心頭滅却すれば火もまた涼し。この境地に至るのは無理でも、「やらされている感」のない糖尿病生活を送りたいものです。