過体重を解消するためのヒント

以下は、糖尿病の「診療ガイドライン」23. 2型糖尿病の発症予防(Mindsで公開)に載っているステートメントです。

耐糖能異常と過体重・肥満を有するハイリスク群では、総摂取エネルギー量を適正化し、生活習慣の改善により体重を5~10[%]減らすことが推奨されている。

ステートメントは、患者全体を見た時の一般論としての医療指針のことで、実際に多数の人間で治療の有効性(効果)や安全性(副作用)を確かめた臨床研究の結果を「根拠」としています。

このステートメントをPICO(ピコ)にあてはめると、次のようになります。

  1. Patient:耐糖能異常と過体重・肥満を有するハイリスク群の人たちが、
  2. Intervention:総摂取エネルギー量を適正化し、生活習慣の改善により体重を5~10[%]減らしたら、
  3. Comparison:同じ条件の何もしなかった人たちと比較して、
  4. Outcome:2型糖尿病の発症予防に効果があった。

「耐糖能異常」かどうかは経口ブドウ糖負荷試験を受けて的確に区分しないと判断ができませんが、健康診断や特定健診で見つかる血糖が正常より少し高いレベルの人(=「前糖尿病」状態)の中に潜んでいます。

「過体重・肥満」かどうかは、「診療ガイドライン」では日本人の体格を考慮して、過体重は22<BMI<25、肥満はBMI≧25としています。

問題は、どうやって体重減量をするのかです。食べる量を減らして運動をすればよいことは誰でも知っていますが、生活習慣は簡単には変えられないのです。

生活習慣を変える

これまでの食事や運動の習慣の結果、今の体重に落ち着いた訳で、生活習慣を変えて体重を減らす道のりは予想しなくても困難です。そして、この道のりは時間もかかるし、イライラするものです。

できるできないは後から考えることにして、次のことをやればリバウンドせずに体重を減らすことができるはずです。

  • 口から入る物のカロリーを減らす
  • ほぼ毎日、身体を動かす
  • 朝食は毎日食べる。
  • 体重、どんな物をどの位食べたか飲んだか、どんな運動を何分したかを記録する。
  • 食事と運動の習慣を同時に変えた方が体重減少しやすい。

少しずつ変える

一度にすべてのことを変えようとしても、失敗するだけです。1回で1個から3個程度の現実的で具体的な目標を設定するのが成功の近道です。

目標は、次の4項目に沿って考えてみます。

  1. やってみる期間を短めに決める。
  2. 普段の日々の生活の中で簡単にできそうなことを選ぶ。
  3. 具体的な数字で表現する。
  4. どのくらいの頻度でやるのかを決める。

例えば、以下のように目標を設定できるでしょう。

  • これから先1ヶ月間(A)、週に5日(D)、昼食に食べる仕出し弁当のごはんの四分の一を残す(BとC)。
  • これから先1ヶ月間(A)、コーヒーを飲む時はいつも(D)、無糖コーヒーか砂糖を入れないで飲む(BとC)。
  • これから先1ヶ月間(A)、週に4日(D)、昼食後に10分間歩く(BとC)。

現実的で具体的で簡単にできそうな目標を選んで始めますので、1ヶ月後に体重が減るなんてとても期待できませんけれども……

目標として設定した「新しい習慣」は実行されたのです。体重減が目に見えて表れなくても、「新しい習慣」を続けていくことでリバウンドしにくくなります。

次の期間では、新しい目標を追加します。クリアした目標が増えるに連れて、体重減も見えてくるでしょう。